その食べ物の味、分かりますか?味覚を整え、より美しく健康的に生きるマインドフル・イーティングのススメ

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健康

一雨ごとに、アジザイの七変化が鮮やかに。目うつる青葉がより濃く青々しく見える季節。梅雨のシトシトした雨降りが続くと体調管理も難しくなりますが、こんな時期だからこそ、日々の食事でしっかり健康維持をしたいものですね。

ところで唐突ですが、今日、そして昨日、あなたが食べたものは何ですか?

誰と、どこで、どのような食事をし、口にした食べものはどんな味わいがしたでしょうか?

日に3食、そして小腹がすいたら間食するなど「食べる」行為は日々繰り返し行っています。食事は人が生きるためには必須であり、身体を維持するためにはとても大切なこととわかっている事なのに、味わいや満足感を意識せずに簡単に済ませてしまう事が多くあります。

「五感」に意識を集中させ味を感じながら食べてみる。

一瞬一瞬の呼吸や体感に意識を集中しながら食べてみると、自分の身体がどう反応するかを感じる。

このような「注意を集中する」マインドフルネスを取り入れ、今の自分の身体に必要なものは受け入れ、不要なものを避けるという舌のセンサー機能を鍛え、健康維持にもつなげるような食事の仕方「マインドフル・イーティング」についてご紹介します。

今回、このコラムを担当する、野菜ソムリエプロで味覚カウンセラー協会講師の香月(こうづき)と申します。

子供と親への食育や離乳食教室、幼少時の食から学ぶ味覚教育、さらに野菜・果物の摂取不足改善の活動をしています。

さらにフードコーディネーターとして料理動画サイトでのレシピ考案や調理担当、またTVをはじめメディアでの旬野菜やレシピも担当しています。

マインドフル・イーティングとは

「マインドフルネス」とは今この瞬間の呼吸や体感に意識を集中し、現実をありのままに受け入れる心の状態で、禅でいう「念」のことです。

意識を頭の中から出し、今に生きる事のトレーニングを実践することで、的確な判断やセルフコントロールができるようになってきます。

このマインドフルネスを身近に実践できる場の一つが食事の時間で、目の前の食事に意識を向け、気をつけて食べる姿勢が「マインドフル・イーティング」です。

より美しく健康的になるために、どう食事に意識を向ければいいのか?

実際にどのように向き合うのか、手順を紹介しましょう。

①呼吸を整え、身体に注意を向けます。

②食べ物がどんな形をしているか?様々な角度から観察(視覚)

③匂いはどう?その時の自分の感情はどうでしょうか?(嗅覚)

④口に運ぶ時の自分の動きに注意を寄せてみましょう。

⑤下にのせる瞬間に集中(触覚)

⑥ゆっくり噛み、口の中でどう変化しているか観察(味覚)

⑦噛んだ時に、どんな音がしましたか?聴覚に集中(聴覚)

⑧そして飲み込んだ食べ物が、自分の身体の中へどう取り込まれるのか意識してみましょう。

(引用元)

世界のトップエリートが実践する集中力の鍛え方(2015年7月31日発行)

著者:荻野 淳也、木蔵シャフェ 君子、吉田 典生 /出版社:日本能力協会マネジメントセンター

食事の時は何を意識しているか?

普段の食事を思い出してください。

TVや音楽などが常に流れていたり、スマホや本、新聞などが傍らにあり、手で動かしながら情報をチェック。頭では全く別の事を考え意識しているのに、口には食事が運ばれ、空腹は満たされお腹はいっぱいになる。

これは一例ですが、このような食事風景は日常でもよく目にする光景ですね。

これをマインドフル・イーティングを意識する食事にしてみましょう。

何かをしながらだと、まず食事と自分の意識に向き合う事が難しいので、食卓に座って周りには何もおかず集中できる環境を整えます。

五感を意識して食べるレッスン

最初からすべてを意識しすぎると緊張や強いストレスを感じてしまい、素直に自分に向きえくなるようでは全く意味のない行為になるので、自分の心が落ち着ける場でリラッスクしゆっくり呼吸を整えてから始めましょう。

今、目の前には美味しそうなイチゴがあるとします。

①粒の大きさや形、色やみずみずしさを観察しましょう。

盛り付けられている器の形やデザインなど細部にも注目します。

②一粒手に取ります。手にふれた感覚は?冷たい?ツルツル?香りはしますか?

③ゆっくり口の中にいれましょう。舌に触ったイチゴの温度や質感を感じながら噛んでいきます。

口に広がる果汁の味わい、甘みや酸味、鼻にぬける香りはどうですか?

④噛んだ瞬間に伝わる音にも注目。シャキ!カリカリ・・食べ物の音も一緒に味わいます。

意識を集中させて食べると、色や形や香り。口に入れた時に伝わる温度や食感。噛んだ瞬間に広がる甘み酸味などの味の広がり方。そして顎から耳に使わる素材の音。

マインドフル・イーティングで食べると、五感全てが意識され、一粒のイチゴからたくさんの情報を感じ豊かな味わいを感じることが出来ます。

食べる事で心が満たされる

このマインドフル・イーティングを実際に私の料理教室でも取り入れて、意識して食べるレッスンをすることがあります。

反応は様々ですが、「沈黙し自分に向き合って食べる事がとても苦痛で、日ごろいかに食を適当にしていたか反省です。」と言う意見が多く聞かれます。

スマホに音楽やテレビそして仕事をしながらなど、別に意識がある状態での食事では、自分の身体にどんな栄養が必要でどう食べればいいか、自身との会話が全くできていない状況となり、食事が無意識の作業になってしまっています。

食事は楽しく美味しくありたいもの。毎食は難しくても、例えば3日に1回や週に一度など向き合う時間を作り五感を意識し、自分との対話の時間を作ってみませんか?

より美しく健康的に。そしてQuality of Life(生活の質)の向上にも「食べる事で心が満たされる」マインドフル・イーティングをおススメします。

この記事を書いた人

香月 りさ

野菜ソムリエプロ、離乳食アドバイザー、味覚カウンセラー講師。ママ野菜ソムリエとして、親と子に向けた料理教室『mamako・kitcen』主宰。畑で野菜を栽培し、教室では子どもが自分で収穫した野菜で調理する食育活動も行っている。

さらに離乳食教室やプレママ向けの栄養講座、野菜・果物の摂取不足の改善の発信者として活躍中。料理動画サイトでのレシピ考案や調理担当、またTVをはじめメディアでの旬野菜やレシピも多数紹介。農林水産省による『農業女子プロジェクトサポーターズ』などもつとめる。

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