【輝け!キラリスト】フィトセラピスト朝日牧子さん

カテゴリ名:
インタビュー

フィトセラピーとの出会い

ハーブなどの植物の成分をお茶やお料理、石けんやマッサージオイルなどにそのまま取り入れ、穏やかに体の調子を整えるフィトセラピー。朝日牧子さんは、フィトセラピー教室Aranjiaの主宰として、そんな植物のもつちからを生活に取り入れることの楽しさをもっと多くの人に伝えたいと日々活動しているキラリストです。牧子さんとフィトセラピーの出会いのきっかけは、ふいに訪れた身体の不調でした。

「40代に入ってすぐ、疲れやすかったり、手がしびれる『手根管症候群』やホットフラッシュなどの症状が出て、若年性更年期障害と診断されました。症状がつらかったので通っていたクリニックでホルモン療法を試したのですが、身体に合わず、むくみが出たり、立てなくなるほど体調が悪くなることもありました。ホルモン剤を変えてみてもやはりダメで、主治医の先生からは、それならムリに治療せずに、そういう年齢なんだなと思って自然のままにしたら? という助言をいただいたんです」

いわゆる「代替療法」のススメとは違う「そういう症状を時期的なものと捉えて共存していったらどうか」という医師からの提案は、とても腑に落ちるものだったそう。そこで、強い薬による治療をストップした牧子さんは、雑誌や書籍で情報収集を始め、つらさを緩和する方法はないかと模索し、ハーブの効能に着目。症状がつらいときに、ハーブティーを淹れて飲むようになりました。

「お茶を飲んだからといって、劇的に症状がおさまるわけではありません。でも、鎮静作用があると言われているお茶をゆっくりと淹れて、味わうことで、少しはイライラがおさまったり、ホットフラッシュがつらいときに体の熱を取る作用があるお茶をいただくことですーっと汗が引いたりと、なんとなく穏やかに過ごせるなあ、と思いました。そこからハーブに興味を持ち、勉強をしはじめて……すっかり夢中になって、フィトセラピストとメディカルハーブコーディネーター、ハーブ&ライフアドバイザーの資格を取るまでに至りました」

生活を楽しくする知識をシェアしたい!

植物を育てるにも、お料理をするにも、お部屋に植物を飾るにも、ハーブや植物の知識があるともっと楽しい。ちょっとこういうところに不調を感じるなと思ったら、お料理にメディカルハーブを取り入れてみたり、頭痛を感じたらミントのマッサージオイルで首筋をマッサージしてみたりすることで、自分の身体や体調の変化に向き合う余裕ができる。「効きますよ!」ではなく、この「知識をシェアしたい」という気持ちから、平日の昼間は会社員としてつとめるかたわら、フィトセラピー教室を開くことを決めます。

「教室を開こうと思って準備を始めて、講座のテーマを考えたりしているうちに、ああそうか、私は人に何かを教えることが好きで、そういう仕事がしたかったんだ! ということに気づきました。それは自分でもすっかり忘れていたことだったのですが、ハーブを学んだことで、そこに気づけたというのは私にとっても大きな転機となったと思います」

ご自身も会社に務め、中学生の息子さんを育てているワーキングマザーである牧子さんの講座には、同じように、ちょうど子育てが落ち着いてきた時期のはたらく女性が受講されることも多いといいます。

「子どもが小さいうちは、女性はどうしても小さい世界に生きることを強いられがちです。本当は外に出ていくことが好きなのに、あたらしい知り合いを増やすことがむずかしい生活になってしまう。私も休日にもうひとつ活動を始めたことで、ママ友からかけられた『子どもを放っておいて大丈夫なの?』というようなちょっとした言葉で悩み、落ち込んで半年くらい活動できなくなったりもしました。自分はもともと家庭のことばかりに捕われるタイプじゃないと思っていたけど、いつの間にかそこに閉じ込められてしまっていたみたい。でも、そんな言葉をはねのけられる気分になって再開してみたら、家庭やママ友とは別の仲間を作ることが私にとってはパワーになるんだということがわかりました。私は今でもフルタイムで仕事をしていますが、会社での仕事に関してもそろそろ上限は見えています。いつかは仕事を辞める時が来る。そのときに活動できる場作りや、一緒に活動できる仲間を作っておくのは、今がちょうどいい年代だと思います。講座に来てくれる生徒さんたちも、きっとそれを感じているはず」

あたらしいことをはじめる適齢期

わたしたちきらリズム世代は、からだもこころも、そして家庭や社会的での役割的にも大きく変化する過渡期。今までは家族や仕事のためにいろいろ我慢しながら頑張ってきた部分もあるけれど、そろそろ「この先の生き方」のために色々準備していきたいと考える時期でもあります。だからこそ、あたらしいことを始めるにはちょうどいい時期なのかもしれません。

「体力的にもまだ動けるし、ある程度自由になるお金もある今のうちに、やりたいことはどんどんやっていったほうがいいんだな、ということを今実感しています。以前つとめていた化粧品会社でアロマ系の開発に携わっていたこともあるのですが、そういう社会人としての経験やスキルも活かせていると思うし、自分としては遅すぎても早すぎてもダメだったと思います。インプットだけできても、こうして趣味だけには終わらせずにアウトプットする時間も余裕もなかったかもしれません。若い世代にとってはは“先生”と呼びやすいし、年配の方々にも親しみを感じてもらえる今の年齢にで“教える”ことにチャレンジできたのは、自分をステップアップするためのチャンスとしては、まさに今が適齢期だと思います」

と牧子さんは言います。

「たとえば更年期障害も、つらい症状はありますが、一方で女性ホルモンが減るこの時期以降は、筋肉がつきやすくなる、筋トレの効果が出やすくなるというメリットもあるそうなんです。女性にはそんなふうに、年齢や時期によって我慢しなきゃいけないこともある一方で、その時期ならではの良い面、輝ける面があると思います」

プラスとマイナスのバランスを取って健やかに暮らす

花粉症がつらい季節につらいつらいと思っているだけでなく、花粉症の症状を和らげると言われているお茶をいただき、ほっと一息つきながらおやすみすること。なんとなく眠れないなと思ったら、よい香りのオイルでマッサージして、ひととき良い気分を過ごすこと。実はわたしたちの人生は、そんなささやかなプラスとマイナスでバランスを保っていけるものなのかもしれません。そして、穏やかな作用のフィトセラピーの知識やクラフトの作業は、そのバランス感覚を取り戻すのにぴったりなのかも。

「これからはもっと、いろいろな世代にターゲッティングした講座をいろいろ考えていきたいなと思っています。50代の女性は、経験も積み、テクスチャーの良し悪しも肌で知っている贅沢な世代だと思います。フィトセラピーには、そんな私たちでも納得できるようなテクスチャーの化粧品を手作りすることができるレシピもたくさんありますから、興味を持った方はぜひ試してほしいですね」

フィトセラピー教室Aranjia
https://aranjia-herbnoarukurashi.amebaownd.com

この記事を書いた人

吉田メグミ

フリーライター。1970年東京生まれ。

デジタルからカルチャー、エンタテインメントなどの雑誌、書籍、WEB記事を書いています。フリーペーパーココカラ編集員。

▼輝く大人をインタビュー!「輝け!キラリスト」記事▼

【輝け!キラリスト】m plus plus(株)CFO 中田眞城子さん【前篇】
昨年末の紅白歌合戦はご覧になりましたか? 出演アーティストの中でも、三代目J soul BrothersとE-girlsのステージでは、大人...
【輝け!キラリスト】m plus plus(株)CFO 中田眞城子さん【後篇】
テクノロジーを使って、舞台やライブ、空間にあたらしい演出を提供するパフォーミングアートを実現する2013年設立のベンチャー企業、m plus...

最新記事一覧