海外の終活事情はどうなっているの?

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終活

海外における終活事情とは

数年前に海外の大手通信社が日本の終活について記事を掲載しました。

自分の人生の終わりを迎える準備をすることについて、日本の社会の状況をリアルに伝えていました。

この記事では日本社会における葬儀に対する認識の変化が書かれていましたが、一方で海外における終活事情とはどのようなものでしょうか?

ここでは日本と海外における終活事情の差や考え方についてご紹介します。

葬儀の方法を決めるのは日本だけの事情

flowers
欧米諸国で多いキリスト教徒などの場合は葬儀の方法がすでに決まっています。

日本は近年、無宗教化が進んできました。

もちろん、今でもお葬式の9割以上は仏式が多いと言われていますが、それでも普段から菩提寺(先祖から決まっているお墓のあるお寺)と関係を持って生活している人は少ないのではないでしょうか。

私達の祖父母の時代はお寺が中心となり、お寺にお手伝いに行くことや関連した行事が頻繁にありました。

そして、身内の誰かが亡くなった場合、親族だけでなくご近所の方もお手伝いに来て頂いたりしたものです。

ところが、半世紀経つと核家族化が進みご近所との連携はなくなりました。

コミニュティがなくなっただけでなく、子供の数も減少して普段からお寺に接することも少なくなりました。

そうなると、お寺の存在意義は人が亡くなった時だけになってしまい、葬儀をあげるためだけにお経を唱えていただくという場合や供養や法要の時だけの交流になってしまいました。

そこには信仰心からお願いするというよりは、形骸化した習慣により依頼していると言ったほうが良いでしょう。

西洋諸国は宗教観が日常的に存在しており、日本のような無宗教的な感覚はありません。

また葬儀の方法を多種多様な方法から選ぶということもありません。もしあるとすれば土葬を火葬にするくらいの違いです。

日本だから生まれた終活という考え方

Tokyo tower
日本人は『あ・うん』の呼吸で生活してきました。

これはわざわざ意思を伝えなくても伝わるというような日本人の美徳のようなものでした。

ところが近年になり、宗教観も変わり伝統的な考え方にも疑問を抱くような出来事が増えてきました。

それが『死んだ後の事を人任せにできない』という事情です。

仮に伝統的な考え方に則り、自分の死後の事をすべて子供達に任せたとしましょう。

すると平均的葬儀費用として200万以上かかり遺産相続は法定相続の通り行われて、菩提寺の先祖から続くお墓に納骨されます。

しかし、子供が一人だった場合すでに子供が先に亡くなってしまったということもあります。

つまり両親の高齢化に伴って、子供の方が先立つこともあります。

また子供側も普段からお寺に接していないので、親が急に亡くなった場合葬儀費用が高額であることに改めて驚きます。

このように宗教観が薄れ、本来は供養することが目的のお葬式や法要は形式化していきました。

そこに「終活」という、どうすれば故人と遺族が問題なく過ごせるのかを解決するためのものが考え出されたのです。

諸外国のように宗教観が決まっているところでは、この終活という考え方はありません。

あるのは遺言書です。

ある意味これがエンディングノートになるかと思いますが、契約社会である欧米社会は日本では想像できないくらい事細かに遺言書を残します。

それでも欧米諸国では葬儀の方法は変化している?

Last will
しかし、欧米諸国で終活がまったくないかというとそうでもありません。

今から20年程前に、アメリカの葬儀協会はすでに葬儀の非儀礼化を指摘していました。

アメリカでは葬送儀礼は重要性を失いつつありました。

例えば不思議に思われるかもしれませんが、日本は火葬という方法で世界でも類をみないくらい普及しています。

一方で欧米諸国は土葬にする土壌が残っていることや伝統的に火葬にする習慣がありませんでした。

ところが伝統的葬儀費用が高いという理由で火葬の低料金を選択する率が増えたというのです。

いずれにしても葬儀の方法は変わったとしても、実際は生きているうちにきちんと遺言を残したり信託財産とする方がほとんどです。

そこが日本人と大きく違う点です。

もちろん州ごとに相続人の順位や取り分は異なりますが、アメリカは今まで会ったこともない大叔父などから莫大な遺産が入るということもあります。

そして、遺言書をほとんどの方が残すことができる遺言執行の制度がとてもしっかりと整備されています。

自分の人生の最後は、自分の意思でしっかりとしめくくるという考えが広く浸透しているからです。

それと同時に遺言がない場合は、日本のように法定相続人に遺産が相続されることはありません。

まずは公的機関が遺産について調査し、州法にしたがって分配するという手続きが行われます。

そうなると手続きは非常に煩雑でその費用もかかります。

そこで遺言という考え方や信託財産という形が広まりました。

終活という考え方は日本独自のものですが、欧米諸国にも違う形で財産などに関する考え方が広く浸透しています。

逆に日本は、その部分が遅れていたかもしれません。

欧米諸国が契約を重視し、死後もその契約や法的な執行を期待して遺言書を残します。

しかし、本当の理由は『自分の締めくくりは自分が決める』という考え方です。

そこは日本でも海外でも同じことだということが言えるのかもしれません。

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