かたちにして残す、伝わる。「自分史」で私が変わる理由

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終活

「自分の人生をみずからまとめた記録」である自分史。文章や写真、映像でまとめることに楽しみや意義があることをご紹介してきましたが、では実際に完成させたら、どんなことが起こるのでしょうか?

作ったら自分に起こる変化について、自分史活用アドバイザーの筆者がご紹介します。

かたちにして残せば、いいこといっぱい

大切な思い出は、わざわざ人に見せなくても、頭の中にいっぱい詰まっているものです。

でも、本、電子書籍、アルバム、映像、ブログ……手間と時間をかけて、「かたちにして残す」からこそ、こんなふうに役立ってくれるのです。

(1).自分を残せる

自分史には、「記録ツール」としての働きがあります。

自分が考えたこと、選んできたことは、世界にひとつだけのオリジナル。自分の中にしか残っていません。かたちにすることで、人に伝えることができるのです。

(2).自分を分析できる

自分史には、「自己分析ツール」としての働きがあります。

自分のことを客観的にふりかえるのは、難しいものです。でも、文章や写真を使って、自分の外に出すことで、改めて自分自身を深く知り、過去に起こったことを分析することができます。

(3).人に見せられる

自分史には、「自己PRツール」としての働きがあります。

家族や長年の知人でも、あなたについて知らないことが多いものです。人に見せることで、自分を宣伝し、より深く知ってもらうことができます。

デジタルであれば、顔も知らない遠くの人に伝わることができます。また、冊子やフォトブックなど、手に取れるかたちにしたアナログの「もの」は、人に会ったときに、見せたり手渡したりすることができます。

(4).共有できる

自分史には、「コミュニケーションツール」としての働きがあります。

同じ出来事を体験した家族でも、覚えていること、見聞きしたこと、感じたことは、それぞれの視点によって異なります。

それを書いて見せることで、「これは私は知らなかった」「あなたは知らないけれど、こういうこともあったのよ」と、思い出を共有することができます。

自分史を「かたちにして残す」ことで、新たなコミュニケーションの輪が広がるかもしれませんね。

自分史は「自己開示」。自分を理解してもらう勇気を

「でも、そんなふうに自分のことを包み隠さず書けるものかしら?」「どこまで書いていいの?」と、気になる方もいるでしょう。

自分史の意外な効用は、「自己開示」をすることにあります。「自己開示」とは、自分に関する情報を人に伝えることです。

想像してみてください。初めて会った人から「私が一番長く住んだのは◯◯県なんです」と聞けば、「旅行で行きましたが、あそこはいいところですね!」と親しみがわきませんか?

また、よく知っているはずの友人に「あのとき、本当はこう思っていたの」と打ち明けられれば、「そうだったのね。実は私も……」と、新鮮に思うと同時に、こちらも心を開きたくなります。

「自分は知っているけれど、他人は知らない自分」を出していくことで、読む(見る)人に、「あなたはこんな人だったんだね」と理解してもらえます。

また、「自分でも知らなかった自分自身」を発見して、ハッとすることもあります。

できることを少しでも、今までより明かすことで、新しい出会いや反応を得られる。それが「自己開示」の効果です。少し勇気を出してみましょう。自分史づくりを通して自分が変われることが、自分史の大きなメリットです。

自分の気の進まないことまで明かす必要はない

もちろん、自分が書きたくない、知られたくないことまで明かす必要はありません。

履歴書ではないのですから、伏せておきたいことは、いいことも悪いことも、書かなくてかまわないのです。

まずは、書きたいこと、思い出すと楽しいこと、幸せなこと、人に伝えたいことを書きましょう。思い出したくないこと、書きたくないことは、書かずに伏せておけばいいのです。

そうやってできた「自分史」は、あなたが好きな花だけを集めて作り上げた花束のようなもので、きっといつまでも眺めていたくなる宝物になるはずです。

読み手を具体的にイメージすれば、言葉が出てくる

写真や映像といったビジュアル中心の自分史であっても、自分の言葉、自分の文章は、短くていいので必ず添えたいものです。

でも、「伝えたいことって何だろう?」「誰に何を書けばいいのかな?」と、最初は考えがうまくまとまらないかもしれません。

なかなか書けないのは、誰に読んでもらう文章かを考えていないからという場合があります。

書き方に迷うときは、具体的な読者をひとり想像して、その人に手紙を書くようなつもりで書いてみると、書きやすくなります。

「家族や近しい知人だけに読んでもらう、ごく内輪の本」と位置づけるなら、これはちょっと恥ずかしいかなと思える家族の私事についても、くわしく書けるでしょう。

「私の仕事歴や、仕事についての考え方を、広く知ってもらいたい」と思うなら、プライベートのことは少なめに、プロフィールとして宣伝したいことを中心に書くのがいいでしょう。

書いたほうがいいこと、書かないほうがいいことも、おのずと見えてくるものです。

1冊完成させると、また次が書きたくなる!

自分史は、自分と深く向き合って作るもの。時間や手間をかけた分、完成したときの喜びはひとしおです。

また、読んだ人に反応をもらうことで、さらに喜びが広がります。

自分史を完成させた人の中には、テーマを変えて2冊目に取り組む人も少なくありません。書いているときには迷ったり考え込んだりしても、かたちにすることで「作ってよかった!」と喜びを実感できるのでしょう。

長くつづけられる新たな趣味、生きがいになるかもしれない自分史。気になったらチャンスを逃さず、今できることからぜひ、始めてみてくださいね。

この記事を書いた人

宮野真有

グリーンフォトライター/文章アドバイザー

「植物」×「写真」×「文章」で、毎日を穏やかに楽しく充実させるための方法を研究、発信中。また、フリーランスの雑誌ライターとしての20年以上の仕事歴を活かし、文章が苦手な人などに、自分史やブログの書き方の指導・アドバイスを行っている。

自分史活用アドバイザー、グリーンセイバー

ブログ:http://miya-mayu.com/

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